私も飛ぶよ
先日ふとある曲を思い出した。というより、ある曲の歌詞を思い出した。それはMESTの『Jaded (These Years)』という曲の冒頭だ。
There's a time and place, for everything.
There's a reason why, certain people meet.
私がA.B.C-Zのファンになったのは昨年春で、彼らの活躍に注目しだしたのはつい最近だ。それでも、私はあの時期の彼らにこそA.B.C-Zの魅力を感じてファンになったんだと思っている。だから彼らの昔の話題になったとしても「もっと前から彼らに注目していれば..」というような後悔を抱くことはほぼなかった。
ただ、例外的に、実はひとつだけ強く残念に思っていたことがある。それは戸塚祥太さんの『ジョーダンバットが鳴っている』をリアルタイムで体験していないことだ。
私がA.B.C-Zに興味を持ち始めた頃にちょうど戸塚くんの連載は終わっていて、私が一番最初に購入した『ダ・ヴィンチ』はA.B.C-Z特集を組んでくれたあの2016年4月号だった。(正確に言えば、あの号も私がA.B.C-Zの世界へ深く潜り込むきっかけをくれたひとつである。あの特集にこそ優しくも強く強く背中を押されたのだ。)
なので当時A.B.C-Zにハマりたて、興味津々超ど新規ファンだった私は、欲のまま手に入るだけのバックナンバーをまとめて購入し、ほぼ一気に『ジョーダンバットが鳴っている』を読んだ。しかしその行動の後の私は、戸塚祥太さんのことをたくさん知れた喜びの一方で、ある罪悪感に苛まれてもいた。
あの『ジョーダンバットが鳴っている』という連載は毎回毎回、戸塚くんが(スタッフさんのお力添えとともに)1カ月というサイクルの中で最大の労力と時間をかけて磨き上げた文章であって、その背景も含まれているからこそより胸に強く響いてくる。そんな、とても意味のある文章を私は軽々しく一気に消費してしまったような気がして、なんだか悪いことをしているような気持ちになった。
私は、連載中の、読者のみなさんが『ジョーダンバットが鳴っている』と共に過ごしていた時間がすごく羨ましくなった。毎月の『ダ・ヴィンチ』発売日を楽しみにしている日々、心待ちにしていたそのページを読んだ時の強い感動や激しく共感する瞬間、今月の話の中で自分の中に落とし込んだそのこころと共に過ごす日常などなど、、1カ月1カ月をその時の『ジョーダンバットが鳴っている』と共に過ごしてきた時間がとても羨ましい。だから、私には丹精込めて届けられたその文章を自分の糧として消化する時間、反芻する日々がリアルタイムとして存在しなかったことが残念だなと思った。
でも、不思議なもので、今度は私にもそんなチャンスが巡ってくるらしい。すべてのものには存在すべき時代と場所があり、人の出会いには確実に理由があるように、私には私なりの『ジョーダンバットが鳴っている』との出会いがあるようだ。
話は逸れるけれども、10月の私は少し落ち込んでいた。またひとつ歳を重ねるのに、全くそれに相応しい自分になれていない自分に落ち込んでいた。そんな時期に観る『この声をきみに』や『さくらの親子丼』や『This is us』*1の心に沁みることったらもう...。あと、、初めてSexy ZoneのCDを買った。『ぎゅっと』があまりにもいい曲すぎて初めてセクゾのCDを手に取った。テレビで初めて聞いた時から、音源を聴く度にも、本当に毎回涙が溢れて止まらなかった。
そんな日々の中、じゃあどうすればこのぽっかりが埋まるんだろうって思った時、考えに考えた先の答えは「過去の自分に負けちゃダメ」ということだった。だから私は今の自分を誇れるように自分のために時間を裂くと決めた。31歳の私は快楽のためのSNSでの情報収集より、HDDの容量との格闘より、趣味とは別の世界の自分のやりたかったことに少しでも打ち込んでみるんだ。そうすればもっと大事なことを大切にできる気がするから。そして、自分を持つことで、より非現実のキラキラ輝く趣味の世界が価値のあるものになる気がするから。
I'm jaded, stupid, and reckless.
私は英語の勉強を再開する。そんな日々に戸塚くんの『ジョーダンバットが鳴っている』が帰ってくるなんてとってもとっても頼もしい。彼の文章との格闘は私の日常の格闘のお守りになるだろう。
戸塚祥太さん、そしてファンの皆さま、『ジョーダンバットが鳴っている』書籍化、本当に本っ当におめでとうございます! 関係者の皆々様、本当にありがとうございます!
そして期間限定の連載再開、とっても嬉しいです!ありがとうございます!
楽しみです☆☆☆☆☆☆