5 Starsに魅せられて

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自称でもいいやって思えた日

  3月某日、早番で仕事を終えた私は新大久保の地へと向かっていた。今年もこの季節がやってきた。  

 

  前日のお昼どきになんとか手に入れたその番号は、経験から言って望みが薄い番号だった。でもチャンスを手に入れた限りは劇場に向かわないという選択肢は無いから、その日はグッズを買いに行く程度の心持ちでいた私。入れなくて落ち込めるほどHPは残っていない。期待は低く、傷つかない準備。

  しかしながら、刻一刻と開演時間に近づくにつれ幾つかの好条件が重なったようで、私のネガティヴな想定を覆し、ありがたいことに村上信五さんの舞台『If or ... X』を観劇することができた。なんだかんだで、いつも私はチケットのチャンスに恵まれている。本当に本当にありがとうございます。

 

 

 

  、、これから話す内容は、ネタバレはもちろん、私の村上担としてのヘタレな心情の移り変わりの話となり、読んでいる方の気分を害する可能性が大いにあります。それでも今年のイフオアで自分が感じたことを書いておきたいのでこの場にて失礼します。悪しからず。

 

  

 

 

 

  いそいそと席につき観劇の準備を整える。開演前のBGMが大きくなって始まったのか、小さくなって始まったのかもはや記憶が曖昧だけれども、ステージ上に村上信五さんが登場した。その時、自分自身になんとも言えない疑問を感じた。毎年感じていた高揚が私の中に沸き上がらなかったためだ。 

  うろ覚えではあるものの確か書店の店員さんだったV、perfumeで踊り始めたVI、墓石の前に佇む青年のVII、謎のキャラクターがようやく判明したVIII (冒頭のパロディVTR後)、カワイイ村上担の女の子のIX、、いずれの作品も今までは村上くんの登場シーンで私のエンドルフィンは急上昇していたのに、このXではそれがあまり感じられなかったのだ。 胸の中にモヤモヤと広がる自分への不信感。でも、今はそんなことで悩んでいる暇はない。ショーがマストでゴーオンされている今、この目の前のパフォーマンスをそんなモヤモヤに囚われて見逃すことほど無礼で不毛なことはない。村上くんに対しても、スタッフさんに対しても、必死で電話をかけていた昨日の自分に対しても。

 

  ポスターのとおりの甲冑に身を包んだ村上くん、彼の殺陣のシーンで始まる『If or ... X』。一人舞台とあって相手はおらず一人での殺陣だった。所々動きが激しくなれば私の脳がついていけない部分はあったものの、板の上にただ一人、そんな村上くんの相手を容易に想像させる刀さばきが素晴らしく、その稽古ぶりに頭が下がった。 

 

  ものすごくざっくり作品の内容をいうと、なんちゃら時代(忘れましたすいません)の水軍、村上信右衛門が近未来にタイムスリップしてしまい、その時代に起きているハイテク軍とアナログ軍の戦に巻き込まれてしまうという話。

  なんやかんやで信右衛門はアナログ軍の一員としてハイテク軍と戦うことになる。自分の生きる場だった海を、ハイテク軍が利便性を追い求めた生活で汚してしまったことを知り立ち上がったのだった。 

  ハイテク軍のゆーちゅーばー且つ、いんすたぐらまーの攻撃に翻弄されながら、信右衛門は奮闘し、遂にハイテク軍のラスボスと対峙する。しかしそこでなんと(見る方としては薄々分かっていた)衝撃の事実を突きつけられた。

  そのラスボスは信右衛門と瓜二つの顔をした、そう、村上の名を継ぐ信右衛門の子孫だったのだ...!血を選ぶか。海を選ぶか。 

 

 

  私の中での解釈ではあるし、私の作り出す村上信五さん像の話になってしまうかもしれないけれども、この『If or ... X』のストーリーを観終えて、やはり私が村上くんを好きな気持ちは変わらずここにあるし、私の好きな村上くんは変わらずそこにいると思った。

 

 

 

  ここ数年の『If or ...』が村上くんファンにとって特別なものだったのに対して、今年はもっと開かれたものだったように思う。

  年々仕事の幅を広げていく村上くん、パンフレットにあったようにお客さんの層も年々幅広くなっていく。だからその広くなった客層に対して、誰も置いてけぼりにしないよう、広く受け止められるような内容になっていく事はごく自然なことだと思う。それを嘆くつもりはないし、むしろとても素晴らしいことだと思う。たくさんの方々に各々の楽しみ方で作品を見てもらえる自担は最高にかっこいい。

 

 

  大御所の方々や、まったく違うフィールドで活躍する方々とうまく仕事をする村上くん、先輩という立場ありきで後輩の育成も兼ねた仕事をする村上くん、制作サイドの方に信頼されて大役を任せられる村上くん、、村上くんのお仕事がまたひと段階別のステージに広がった今、私は彼の出演番組全てをチェックすることはしなくなった。ある頃から、全て録画していたテレビ番組も、逃さず聴いていたラジオも、部分部分でそれをしなくなった。一途な方の多い村上担の中で、そんな自分が「村上くんファン」「村上担」を語ることにバツの悪さを感じるからこそ、冒頭の自分の平常心に「いよいよここまで変化がきたか...」と密かに焦っていた。

 

 

  私が村上担として変わったきっかけは2016年の春、木曜日に変化が生じた時だ。2つの大きな変化があったものの、私にとっての衝撃はラジオの方が強かったように思う。 

  2013年に横山くんが旅立った時もかなりのショックだったけれど、バトンタッチしたマルちゃんにはまた新たな『レコメン!』を届けてもらい、本当に毎週毎週楽しませてもらった。

  私は村上くんの古き良きものの美徳や物事の真意を好む性格と、それらを皆まで語らない姿勢に心底惚れている。マルちゃんとの『レコメン!』ではその二つがとても頻繁に感じられた。

  レコメンニュースネットワークのコーナーでは、新たな便利なもの、最新技術の話題になる度に「そんなもん!」と言いたいことをあけすけに吐き出す村上くんが痛快だったし、そうやって物事の本質を大切にする姿に強く共感していた。

  また、あの思い出深い2015年の『If or ... VII』が終わったこの時期に「なぜ弾き語りの曲に『ありがとう。』を選んだのですか?」というメールが読まれた時、こんな無粋なメールを送る方と、こんな無粋なメールを選ぶスタッフさんは馬鹿なのか?と思った(失敬。本当にすいません)。そんなことを言葉で発してしまえば、超多忙の中、(その難しさから)嫌々ながらも練習した(←本人談)あの時間とそのモチベーションがとても陳腐なものになってしまう。全てはあのステージ上で、あの一曲に込めて伝えてくれたからこそ意味のあるもの、、。マルちゃんもおそらく同様なことを感じているからこそ、その時には「でもそれは語らなくてもいいですよ〜」(←ニュアンス) と言ってくれた。そして、最後まで語らずにいてくれた村上信五さんに感謝した。

  テレビでは一人の演者として、共演者さん、スタッフさん、そして視聴者の望む役割をうまく担ってくれる村上くんだけど、あの『レコメン!』は村上信五本人として過ごしやすい場のように私は感じていた。だからそんな村上くんをサポートしてくれるマルちゃんがそこにいてくれたことが私はとっても嬉しかった。 “散らかすマルちゃんのお世話係しんちゃん” のように見えて、実際はマルちゃんにいろんな面で助けられていた村上くんだったとも思う。

  でも単純に、なによりヒナマルの二人(と時々のりさん)が本当に楽しそうにおしゃべりをしているのを聴くのが私は大好きだったのだ。そんな遊び場の空気を私も一緒に共有したくて、木曜22時には文化放送に集合していた*1

 

  そんな場所に変化が生じ、村上くんにまた別の役割が加わったことで私の気持ちにも変化が起きた。仕事をしている村上くんはかっこいいし大好きだ。でもあの時間に私が求めていたものはそれではなかった。いつもの昔ながらの中華そばを求めて週一で行きつけの店に通っていたけど、いつの間にかその店はベースのスープにアレンジを加えたオシャレな流行りのベジソバを出す店に変わっていた。ベジソバに罪はないし、それはそれで美味しかった。けど、なんとも言えない寂しい気持ちになって、徐々に私は別のラーメン屋さんに通うようになっていた(えびのスープの...)。

 

  単純に “ありのまま” で “楽しそう” に見えた(←あくまで私の主観) 村上くん*2が、経験と実績を積んで “役割を担い” “上手に” 仕事をしている姿(←あくまで私の主観) に私の気持ちが追いつけていないという、ただの軽薄な気持ちの問題だとは思うけれど、それでもそんな自分を肯定するため「中堅となった村上くんの仕事ぶりがここ数年で変わってきたことで、私の応援のスタンスも変わってきた」、、そう思うことにした。自分で作った “ファンの条件” を満たせない自分を、この先も責める続けることが建設的だと思えなくなったからだ。ファンとしてのあり方こそ変われど、村上信五さんを好きだという気持ちはこの先も変わらないと確信したから。

 

 

 そう思えたのも、この『If or ... X』のおかげ。

  シンプルに、身ひとつでの立ち回りでみせるアナログな手法に真摯に挑む村上くんにはグッときたし、言葉にしないながらもエンドロールのあの曲では、昔から『If or ...』を観に来てくれているファンに対する気持ちを感じた。どんなに仕事の幅が広がろうとも、私の好きな村上信五さんは変わらないのだ。

  この『If or ...』は絶対に映像化しないという村上くん。ファンとしては昔の作品も観てみたいし、またあの作品に浸りたいという気持ちもある。ただ、どんな舞台作品にも言えることだけれども、演者としては、その日その時その瞬間を舞台の上で発揮するだけであって、それが観ている人の心に響けば(大げさかもしれないけど)自然と語り継がれていく。私は今回のエンドロールで使われた曲の元となっているイフオアは知らないけれど、そのことは知っている。デジタルで簡単に記録できたり、昔の映像も簡単に検索して見ることができる時代だけれども、そんな時代にこそ人の記憶で残っていくものがあっても粋で良いじゃないか。そう思えるのも、私の好きなあの人がそういう男だからなのだ。

 

 

  、、、とは言えここまで散々語ってきたものの、この『If or ... X』の一番の見所は単に昔からの手法でみせる殺陣だけではない。冒頭のシーンとは対照に、本編のクライマックスでは紗幕の映像と融合した最新技術を詰め込んだ殺陣をみせてくれた。これが本当に凄かった。ステンレスマンを思い出すような風貌のデジタル軍のボス、そんな敵との凄まじい勢いの殺陣、リアルな水しぶきや、振りかざす刀の勢いが可視化されている迫力、まさに手に汗握る時間だった。冒頭の殺陣だけでも感動していたのに、同じ技を全く逆の土俵で見事に披露する村上くん、、改めてその稽古ぶりに頭が下がったし、その分更に感動した。

  古き良きものを大切にする村上くんだけど、新しいものを取り込むことだって怠らない。だからこそ彼のフィールドがどんどん広がって、大きいものになっていくのだろう。そんな村上信五さんはやはり素敵だ。そしてそんな村上くんのそばに新しいもの(YouTubeネタ、インスタネタなど含め)を提案し、一緒にいい作品を作りあげるために奮闘してくれるスタッフさんがいることに感謝させていただきたい。ありがとうございます。

 

 

  、、、こうやって、これからも私は深読みしすぎな、分かったつもりの(ウザい) “自称村上くんファン” を続けていく。この先もこの『If or ...』という場があるのかどうかは分からないけれど、その場にいたいと願う限り、私は “村上信五のオンナ” の一人を自負してもいいのだ。そう思わせていただこう。

 

 

  うん。。。

 

  いいよね?

 

  え?いいのかな...。

 

  いや、いいでしょ!

 

  うん、大丈夫いいって!、、、

 

  きっと....(笑)

 

  結局ファンにだっていろんな人がいて、ファンを定義づけることほどナンなセンスなことはないと思うから。

 

 

 

  ちなみに『If or ...』のチケット代が内容と見合っていない(ほど安い)のは有名な話だけれども、以前のカーテンコールでお客さんにいくらぐらいまでなら妥当か聞いてみた際「さすがに1万円超えたらSHOCKみたいなことせなあかんくなる!」と言っていた村上くん。でも私からしたら今年のイフオアは十分一人SHOCKやないかい!!!という気持ちだ。それほど素晴らしい殺陣だった。階段落ち(降り)もあったし*3

  あ、あとSHOCKではないけどジャニーズ伝統の御家芸、タイムスリップも。

 

 

 

 

 

 

 

 

  、、、こんな拗らせブログを数日かけて書いている間に『関ジャニ's エイターテインメント ジャム』の発売日がやってきた。

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

  ね〜〜〜!!!!! 

  やっぱりアイドルコーナーの村上くんめっっっっっちゃかっこよすぎません!?!?!? 

 

 

やだもーーーー!!!!!めっちゃときめくーーーーー♡♡♡♡♡

 

 

 

  全然エンドルフィン出てる。

 

 

 

 

 

 

 

 

  最後にどうしても言いたいことは、今年のイフオアのエンドロールに清塚信也さんの名前があって驚いたということ。 私的ヒナ担の中の神的存在清塚さん、、、ありがとうございます!!!!!そしておめでとうございます!!!!!

  

 

 

 

*1:もちろん入り待ち出待ちのことではない

*2:とは言え、一番タイトなスケジュールの中での日々だったので当時を褒め称えるつもりではない

*3:今年の客席登場は後方の扉からだったため、客席の階段を(自転車で)降りてきた村上さん